慢性頭痛
●慢性頭痛の90%が緊張性頭痛と片頭痛
慢性頭痛の90%を占めると言われている緊張性頭痛と片頭痛について
下記に症状、原因について説明していきます。
1,緊張型頭痛
(1)緊張型頭痛は慢性頭痛の7~8割
緊張型頭痛は慢性頭痛の中で最も多く、7~8割を占めます。精神的な
ストレスや不自然な姿勢、疲労などによって、特に首や肩の周囲の筋肉
が緊張すると血管を圧迫して血液循環が悪くなり、頭痛へとつながりま
す。症状は下記のようなケースが多いです。
①肩や首のコリを伴う
②軽いめまいを伴うことがある
③頭を鉢巻きで締め付けられているような痛み
④いつとなく慢性的に一日中かつ毎日のように続くことが多い
⑤仕事などによる精神的、身体的ストレスの蓄積によることが多い
(2)緊張型頭痛は首周辺の筋肉の血行不良が原因
緊張型頭痛は精神的なストレスやデスクワークなど同じ姿勢を続けると
首、肩や頭の筋肉が緊張して血管が収縮することにより、血行が悪く
なり、酸素や栄養分の供給が不十分になり、頭痛につながります。
(3)緊張型頭痛には血行改善
緊張型頭痛にはまず筋肉の緊張を取り、圧迫されている血管を開放して
血行を取り戻さなければいけません。それには首、肩や頭の筋肉の緊張
を取り、頭への血行を改善させる必要があります。鍼灸には筋肉に直接
働きかけ緩和させる作用と血管を拡張させる作用があり、血行を改善
させるので大変効果的といえます。
2,片頭痛
(1)片頭痛は女性に多い
片頭痛は圧倒的に女性が多く、男性の4倍とも言われています。女性では
生理前に起きることが多く、女性ホルモンのエストロゲンが関連している
と考えられています。このエストロゲンは鎮静作用のあるセロトニンの
分泌に関与しています。
セロトニンは鎮静作用があり、血管を収縮させて興奮を抑える働きがあり
ます。
ストレスを感じると脳内で興奮を抑えようとしてセロトニンが血液中に
分泌され、血管が収縮します。ストレスがなくなるとセロトニンの分泌
は弱まります。そうすると血管の収縮は弱まり、拡張がおきます。
この時、脳内で拡張しすぎると血管が引っ張られて頭痛が起こると考え
られています。
血管が拡張しすぎると多くの血液が流れます。そのため片頭痛が起きた
ときは ”ズキン・ズキン” と拍動するような痛みを感じることがあります。
片頭痛には下記のような症状のケースが多いです。
①「ズキンズキン」という波打つような痛み
②頭痛が起きる前にチカチカした光が見えることがある
③片側が痛むことが多いが、たまには両側も
④吐き気や嘔吐を伴うことがある
⑤体を動かすとガンガンと頭に響く
(2)女性ホルモンが片頭痛に関与しているケースが多い
生理の排卵期にはエストロゲンの量が少なくなり、セロトニンの量も
減ってきます。そうすると収縮していた血管は拡張して、拡張が過度に
なると頭痛が引き起こされます。
このように女性ホルモンが片頭痛に関与しているため、生理不順、月経
困難、ストレス、更年期障害などに悩む女性が片頭痛を発症することが
多いのです。
(3)片頭痛には日頃から血のめぐりをよくしておく
片頭痛は鎮痛薬や頭痛薬でその場の対処療法でしのぐことができます。
しかしながら頭痛を一時的に対処して抑えるにとどまります。
それを鍼灸では急激な血管拡張を抑えるように、日頃から血のめぐりを
良くしておくことができます。そうすることによって辛い症状が徐々に
改善されて楽に過ごせるようになります。
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