梅雨時の症状

1、梅雨時(つゆどき)の湿邪(しつじゃ)

梅雨の季節になると”倦怠感(だるい)・頭痛・腹痛・吐き気・体の冷え・むくみ・

めまい・肩こり腰痛”などの症状が出る方が居られます。

東洋医学ではこの梅雨の季節に発生するこれらの症状の原因を

湿邪によるとしています。 これは体内に停滞した水分が影響しています。

湿度は高くても、 気温があまり上がらない梅雨の時期。 普段と同じように

過ごしていても、 水分代謝は落ちやすくなっています。 特に湿度が高いため

水分が蒸発しにくく、 夏のように気温が高くないため汗もかきにくい時期です。

2、梅雨時の自律神経失調

また、 このような症状を引き起こしているもう一つの原因は気象の変化による自律神経の乱れが

あります。 長く降り続く雨によって、 日照時間が減少したり、 体感温度が変化したりして身体の

様々な器官をコントロールしている自律神経のコントロールが追従しきれなくなったりします。

基本的に日が昇っている日中は活動するための「交感神経」が優位になり、 身体を休めるため

眠りにつく夜はリラックスさせるための「副交感神経」が優位になります。 それに対して梅雨の時期

は日光を浴びることが少なかったり、 湿度により気圧が低くなったりします。 これらの現象が日中

でも身体は副交感神経優位にしようと働きます。 副交感神経は、 身体を休ませる神経なので、

身体はお休みモードになって”だるい”と感じてしまうのです。 また、 低気圧が続くと「ヒスタミン」

という発痛物質の分泌が多くなり、 肩こり、 頭痛を引き起こしてしまいます。

3、湿邪が引き起こす症状

この梅雨時に特に起こる湿邪湿度、低気圧と冷えにより水分の停滞が起因して、

いろいろな症状を引き起こします。 湿邪には”重い”と”停滞”という特徴があり

ます。 そのため、頭や身体が重くなりだるいと感じることがあったり、 水分の

停滞によりむくみを起こしてしまいます。 また、 胃腸の調子を悪くすることも

あり、 食欲不振、消化不良、下痢、便秘”などの症状になることがあります。

4、なんだか気分が沈む梅雨時

人は日光をあびたり、 ウォーキングなどの軽い運動をすることで元気脳には

欠かせないと言われているセロトニンというホルモンを作り出します。 

セロトニンは内臓機能と神経的な部分のコントロールに働きかけます。 神経的な

ところでは気分や感情に働きかけるので精神的な影響をうけます。 

梅雨時には日光をあびる時間が減少しやすく、 また、室内にこもりがちになり

運動も不足してセロトニンの量は減少気味になります。 セロトニンの量が少なく

なると内臓の働きが弱まり体調不良を感じることがあります。 そうすると、 

特に病気ではないのに体調不良となり、 不安感が高まります。 感情にも影響

するホルモンなので精神的な安定は難しくなります。

5、自律神経失調と湿邪の対策とセロトニンを増やすには

自律神経失調の対策には、 昼は起きて活動し、 夜は静かにゆっくりするという

本来のリズムに戻すことが前提になります。 これにより昼は交換神経が優位に

なり、 夜には副交感神経が優位に働き、 本来の自律神経の機能に戻るから

です。 また、 湿邪には身体の冷えが大敵で、 身体が温まれば湿度が高く

低気圧の時でも、 身体から余分な水分は出ていきます。 それからセロトニン

増やすには日光は浴びられなくても、 運動と食事で作り出すことができます

6、対策

以上の対策としてウォーキングをしましょう。 忙しくてウォーキングをする時間が

ない方は、 通勤時や買い物のときなど気づいたときでもよいですが、 歩く

ときに足の大きさまたはその半分程度でもよいので大股で歩いてください

そうすることにより足の下腿三頭筋が働き、 ポンプ運動により水分の停滞を

防ぐことができます。 そんな時間もない方の秘策は”貧乏ゆすり”です。 貧乏

ゆすりといっても、 通常の貧乏ゆすりと少々違い膝を上下に動かすように

すると大股歩きと同じように下腿三頭筋が働きポンプ運動が得られます。 

1日5分もすると結構疲れます。 あまり格好よくないので5分くらい秘かにやると

よいですよ。 

それからもう一つ大事なのが食事です。 冷えの対策とセロトニンを増やすために

ビタミンB1, B2を取るようにしましょう。 B1, B2は糖質をエネルギーに変えて

疲労を回復させ、 またセロトニンを作り出す栄養素になります。

これらの対策で梅雨の季節を心地よく過ごしましょう。